3月
片雲や 空気ゆらさず 散る桜 (秋至)
れんげ田の 微笑に妻笑む 何云はむ
闇の上 にも積む島の 深雪かな
つばくろを 集めし無人 駅舎かな
春望や 登れば街の ちりはるか
青渕へ しづく垂らせる 雪柳
鳥引くや 岩かむ波の 今朝高し
石仏の ひざに影寄せ 冬すみれ
そよ風や すみれに重き ピアノの音
波引けば 魚臭の島の 桜貝く
遠浅や 寄する春波の 脚ながし
踏みさうに なりて目合はす 花すみれ