4月


雪嶺に つづく雲居の 朝がすみ(津上 アサ)

立春の 声聞き何やら ぬくきもの

菜の花の 活けある卓に 友招く

 

たんぽぽの 手折れば 白き血潮かな (秋至) 

片脚は はや薄れつつ 春の虹

となり合ふ 耕人もなき 棚田かな 

電線の 重きたるみや 花の雨

新緑の あふれあふれて 湖面かな

ぶな山の 芽吹の風の 生るる頃

柔らかに 匂ふが如き 花の雲

行く春の 君の生毛の 濃くなりて

月明の 散る花残花 落花かな

豪勢に 散る花未だ 余裕ぶり

花散りし 後の孤木の 下の石

古への 人も思へり 花の後

いとけなき ものの芽の割る 小石かな

逆富士を 叩きて雁の 別れかな

菜の花の 闇夜に生るる 微風かな