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11 月 |
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たかむらの 秋蔭濃くす 旧家かな (植田 一粒子)
噴水の 玉と弾けて 秋の光
客のなく 秋思の店員 はりに見え
女生徒の 制服の紺 秋暑く
鯖雲の 大夕焼けや 稽古終ゆ
神服 浄く玉砂利の 落葉掻く
里祭 幟はためき 子等駈くる
目覚むれば 病舎の窓に いわし雲 (津上 アサ) 秋雨の 降りつぐ日暮 灯を入れて 目を痛みて 白き部屋内 秋さやか 残れる目 いたはり過す 秋の日を
見ゆるもの みな句に読まん 子規忌ゆえ(秋至) 草枕 地酒新酒を 酌む夕べ 草枕 帰燕の心 すでになし 草枕 標高高し 天高し 雨やみて 葉雫の奥の 後の月 行秋の 波を返して 砂白し 紅葉山 借景に庭の 五葉松 片足の ほどの背の子と 栗ひろひ 陽を集め 空を集めて 黄落す 黄落の 空にはりつく 昼の月 左から 右から黄落 また一葉 横綱の 如き大木 蔦錦 暮れぬれば 山は一色 紅葉山 秋深み 行人一人 野良の風 地蔵の影 濃くコスモスの 影淡し 電灯下 声なく残る 虫ひとつ 姉の色 妹の色や 柿紅葉 つるし柿 渋面形に 渋ぬけて トンネルを 過ぎて刈田の 二つ三つ 雲迅し 木の葉づたひに 散る木の葉 木の葉舞ふ 木の葉の音の 夕べかな 鶏頭花 ビロードルビー ダイヤかな 雪がくる 前に結婚 式挙げよう 黄落の 一葉の刻む 時遅速 黄落の 一葉一葉が 時刻む
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