JUST JAPANAugust 2005


     
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エッセイと短編小説

ジョン・ロングの「シェイクスピアの音楽理論」に基くシェイクスピアの「テンペスト」の戯曲・音楽構造の一分析(その10)

       作者   石塚 とも   (いしづか とも)    

作者の略歴
舞台芸術研究者。1966年東京生まれ。4つのアメリカの大学と大学院で舞台芸術を学ぶ。米国在住8年。出身校(最近の順に)東京芸術大学、パデュー大学院、オレゴン大学院、南オレゴン大学、サウスウェスタン・オレゴン短期大学、明治学院大学。Phi Kappa Phi(全米大学優等生会員)、USITT(米国舞台技術協会員)。趣味はピアノとバイオリン。

結論

サウンド・デザイナーがシアター・プロダクションの一部として効果的な音響を制作するという枠組みにおいて、ロングのシェイクスピア戯曲における音楽理論は「テンペスト」だけでなく、「真夏の夜の夢」などその他の戯曲にも応用が可能である。たとえば、「真夏の夜の夢の中」で音楽が調和といった漠然としたアイデアをどのように象徴しているのかという点について、ロングは次のように言明する。「音楽はオベロンとタイタニアの間で作られた調和を象徴している。なぜなら、神に対しては命の限りのあるはかない人間が力を合わせて再構築した 調和の精神を象徴しているのは音楽に他ならない。(95)」ここで使用される音楽はオベロンとタイタニアの和解不能とも思われたいさかいの終結ならびに、王として女王としての本当の親睦と調和の始まりを象徴している。

当研究はジョン・ロング著の「シェイクスピアの音楽理論」を使用して「テンペスト」の音楽構造をつかもうとしてきたものであるが、次に挙げる三つの質問については言及できなかった。

  1. どこで音楽が現実を変換するのか?
  2. どこで音楽が戯曲の重要な瞬間を合図してくれるのか?
  3. どのように音楽が特定の登場人物を導入しているのか ?

したがって、「テンペスト」の戯曲・音楽構造の解明において、包括的な結論に達するには上記の三つの質問に対する議論を含んださらに進んだ研究が必要である。
(終わり)




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