| Just Jpan 2001 11月号 |
| ≡ さあ 政治家になろう Vol.2『政界に突入せよ(後編)』 ≡ |
| 綾部 忠海 |
前編では、私が民主党大会のディベートに参加することとなるまでの経緯をご紹介のしたのですが、読みながら心の躍動感を抱いてしまった貴方は政治家を目指してはいかがでしょうか?(ご協力しますよ。)
国を動かすなんて、ばかばかしいなんて思っている人が多いのですが、私の友達には、それを変えてしまおうと(おそらく)本気で考えてしまっている人たちがいます。
まあ、そもそも政治家になろうなんて思ってしまう段階で、1本切れているのだとは思うのですが、そこがなかなか愛すべきところではないですか??(笑)
しかし、本当に私の知り合いは、変わり者が多いのです。私自身も、政治に興味がなくて、いつも彼氏とマッタリしている女友達に、熱く熱く財政赤字(日本の借金)について語っていると、その子が僕の事を、「なんだか暑苦しい奴だなあ」なんて思っているのが、表情から伝わってくるのですが、ときにはめげずに語り尽くしてやるのです。そんな自分が愛らしいですよ。
バカにされてるんだろうなあ、と思いつつ頑張っている自分が面白いのです。
バカになることも大切なのです。
なんだかそんな話をすると、若手の秘書は、変な奴ばかりと思われてしまうかもしれませんが、意外と美男美女が多いのも確かです。特に東京には綺麗な女性が多いです。それでいて頭が良くて、向上心もある。そんな華やかさにつられてくる輩もいるかもしれません。
東京で政治に関わる学生が多いのは、美味しい思いをできるという理由もあることは否定できません。さまざまな議員にあえたり、時には芸能人にもあえるらしいです。
逆に地方で頑張っている学生は、筋金入りです。地方というのはなかなか人が集まらないのです。ひとりぼっちの活動になってしまうこともあります。20歳で街頭演説をしている知り合いもいます。僕もその口で、ひとりぼっちだったのですが、演説するまでの勇気はなかったので、いろんな政治家にフライングボディアタックを食らわすことになったわけです。(決して自分を筋金入りだと言いたいわけではありません。)
とにかく、何かをやってみる。これが大切だと思います。特に選挙などは、お祭りにしなければいけない部分もありますから、
「どんなことでも構わないから情報発信するのだ!!」
というノリが大切です。
前置きが長くなりましたが、そろそろ後編のはじまりです。
第二回 『政界に突入せよ(後編)』
人生など分からないものだ。「一寸先は闇」というのは、政治家の専売特許だけれども、とにかく僕も民主党大会に参加していた。
僕はある先輩と参加していた。その先輩は、大学で2留していながら、類まれなるガッツで、世界のリーダーカンパニー「トヨタ自動車」に内定をたたき出していた面白い人物だった。また、彼は、僕が政治の世界に飛び込む事を積極的に応援してくれていた数少ない人であった。党大会に参加する前に、2人で昼食を取った店で、
「忠海。仮に俺が議員と話をする機会があったとして、その時にして欲しい事はあるか?」
とはっきりと聞いてきたのがとても印象的だった。
関西人であった彼は、話が早いのだ。積極的でガッツがある。なぜ、2度留年したのかが不思議なぐらいである。互いにズケズケものを言い合う仲なので、一度聞いてみたのだが、面白い事を言っていた。
一度目の大学4年のとき、彼の父親に、
「大学ではずっと部活をやってきて、遊べなかった。だから、もう2年くらい学生をやりたい。」
といったらしい。すると、彼の父親が、
「それもそうだな。俺も大学は6年かけて出ているからな。」
と返したそうだ。どことなく、説得力があるのだが、彼の父親は医学部出身だ。
要するに、大学ではやる気を失っていたようだ。
そんな彼に、
「政治を本気でやっていく気のある奴がいると言ってほしい。」
と返答した。
東京の有名なホテルで、民主党大会は開催されていた。さすがに多くの警備が出動していた。右やら左やらの街宣車も集まっていたからだ。
田舎から出てきた僕は、とても新鮮に感じたのと同時に、ひどく緊張してしまった。受付・着席・移動という状況に、対応するのが精一杯であったが、いよいよ学生が別室に集められた。
議論のお題は、民主党は若者の支持を広げていくためにどうすればよいのか、とのことであった。僕らは、10人ぐらいに分けられ、ディベートを始めた。そして、そのグループには国会議員が2人参加していた。しかし、だれも話し始めることはなかった。話し始める事ができないのだ。それもそのはず、いきなり民主党の支持が云々ときかれて、なにが言えるだろう。議題の設定ミスである。日常に密接でない民主党が支持を広げる必要が、参加者には感じられないのに、民主党が支持を広げる方法を考えろといっても、ピンとこないのである。
そこで、僕はディベートを引っ張る事にした。
実は、僕はディベートは得意だった。ディベートの基本を抑えているからだ。
それは、
True(正しい) False(間違っている) Unknown(分からない)
ということである。これは、土砂などを積み上げる際に、
壊れる 壊れない 分からない
として、壊れる部分と分からない部分には積み上げないという話の応用なのだけれども、このことを分かってさえいれば、きっちりとした説得力のあるディベートができるのだ。
学生には、UnknownをTrueやFalseとしてしまい、Unknownと考えられないために、訳がわからなくなってしまう人が多い。これさえ抑えれば、学生レベルなら説得力のあるディベートができるものである。
とりあえず、民主党が支持を広げる必要性があるかどうかについて、喧々諤々することにした。
かくして、ディベートも進み始め、僕も適度にアピールすることができた。なんとまあ、戦略的なことであろうか。自分でも感心する。
ディベートが無事に終わり、次に打ち上げに向かうこととなった。僕はやっときたと思っていた。
「さあ、秘書の口が聞けそうな人に、片っ端から話をきくのだ!!」
と考えていたのである。
民主党関係者といっても、様々な立場の人がいる。何も議員だけではないのだ。党職員・候補者・秘書の方など、その関わり方は多様である。
話す機会があった全ての人に、自分が政治の世界で働いていきたいということ、そしてどのような仕事でも構わないので紹介して欲しいということを、魂を込めながら笑顔で言いまわった。
魂とか笑顔とか、意味がなさそうものなのだが、これがなかなかどうして重要なのである。
何人ほど話しただろう。2人強い手ごたえのある方がいた。ひとりの方は広報担当の党職員の方。
そして、もうひと方は前のディベートで同席していた参議院議員 浅尾慶一郎議員であった。
かなり魂を込めていたと思う。それをぶつけられた人にしてみれば、少し恐ろしかったのではないだろうかと思うほどである。思いを伝えたかったのである。
浅尾議員は深い声で、
「分かりました。今度の参議院選挙で出馬される方がおられます。その方にご紹介します。」
と言われた。
この言葉が、僕が政治の世界で仕事をする全ての原点になったのである。
友達に言いまわるという、ひとりの活動を始めてから、半年が過ぎた頃だった。
この2ヵ月後、元防衛庁審議官太田のぶまさ氏の秘書として、僕は東京に行くことになったのである。
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