銭江晩報7月の記事

 

 

 

7月1日  鏡に映る人、私じゃない

  取材を前に、記者は心の準備を十分していたつもりだ。しかし、浙江省第二病院の整形外科病室で陸飛紅さんの顔を見た時、記者の心拍数は異常に高まった。予想と違っていたのは、陸さんは全く悲しそうなそぶりを見せないこと。強靭な精神の持ち主かと思ったが、どうやらそうではないらしい。「彼女の精神状態から考えると、恐らく彼女は意識の中で現実を全く打ち消してしまっているのだろう」と医師は言う。

  嘉善県惠民鎮の陸飛紅さんは今年19歳。事故に遭うまでは、村で1、2を争う美少女だった。その彼女に一生振り払えない悪夢が起きる――数年前、飛紅さんは交通事故で父親と叔父を亡くしている。その後祖父が病死し、母親と飛紅さんの二人で病気がちな祖母の面倒を見ていた。6月6日、彼女が杭州からバスを乗り換え、富陽の友人宅へ遊びに行く途中にそれは起こった。反対車線を猛スピードで走るトラックと激突、彼女は意識不明となった。

  飛紅さんの意識は回復したが、頭部の皮膚損傷が激しく頭蓋骨も露出していた。顔面の損傷も似たような状態で、周りの者はそれを本人に隠した。しかし、数日後トイレに行った彼女は鏡を見てしまう。全面傷だらけの顔、潰れた眼・・・。鏡に映る変わり果てた自分の姿、「これは私じゃない、私じゃない」と泣き叫んだ。

  「泣かないで。今は医学が進んでいるから、整形すればもとの顔に戻れるから」と母親は慰めるが、その言葉も飛紅さんには信じ難い。母親はひと月に500元のバイト収入しかなく、そのバイトも飛紅さんの看病のため解雇されてしまった。高額な整形費用など準備できるはずもない。

  母親はただ黙って飛紅さんの側で看病するしかできない。娘の将来を考えると思わず涙がこぼれる毎日・・・。

 

 

 

7月5日  上海骨髄バンク登録者数2.4万人

現在、中国大陸で最大の骨髄バンクは上海骨髄バンクだ。資料によると、上海の骨髄バンク登録者数は2.4万人に達しており、国内の他の地域と比べダントツに多い数字だ。

昨日記者は同バンクの楊部長に電話取材した。「ちょうど一組の造血幹細胞の型が一致した所。福建省福州市に緊急に骨髄移植が必要な女性患者がいる、すぐ福州市へ送らねば」と楊部長。同バンクではすでに11組の型の一致に成功している。

実際のところ、ここ浙江省の白血病患者も、毎年上海骨髄バンクに救援を頼んでいる。上海赤十字会の職員によると、江蘇浙江両省の白血病患者が、上海の骨髄バンクで型の一致に成功している例は多い。一般的には型が一致する確率は数万分の1程度だが、両省の患者は数千分の1の確率でHLAの型が一致していると言う。

上海骨髄バンクが急速に規模拡大した理由は、まず骨髄バンクへの登録の呼びかけが早かったこと。1997年に「中華骨髄バンク上海バンク」が正式に設置されて以来、休むことなくアピール活動を続けた。もう一つは募金運動も絶えず行ってきたこと。登録人数2.4万人と言う数字は、検査費用だけでも約1,200万元を費やした計算になる。この費用の一部は募金によって賄われている。

現在も登録希望者は増え続けているが、検査費用のやりくりがつかない時もあると言う。希望者自ら快く全額を負担する場合もあれば、経済的に余裕がなく「気持ち」として一部の費用を払って登録する場合もある。いずれにせよ、希望者共通にして言えることは「私心がない」ことだ。

 

 

 

7月12日  浙江住民 半年で1,388億元使う

金儲け上手の浙江人は、気前も良い。今年上半期の浙江省消費総額は1,388億元に達し、前年同期比12.3%増、全国平均を3.7%上回った。そのうち、杭州市が「大市場」のトップを走り、消費総額255.7億元、前年同期比13.8%の増加。住宅、自動車、通信、旅行などが人気のあった消費項目だ。

資料によると、杭州、寧波、温州の3市はいずれも消費総額240億元を突破。増加率では寧波の14.4%が1位。全省各地で、展示会消費、休日消費、農村市場開発消費などがきっかけとなり、消費活動が活発化したものと見られる。杭州市では5月1日より、小型自動車の価格改革が行われており、市民の自動車購買意欲を掻き立てている。また、ブランド商品、ローン、レジャーと言った新しい消費スタイルや、家庭関連サービス、コミュニティ関連サービスなどのサービス業界も発展目覚しく、「お金を出してサービスを買う」と言う思想も浸透しつつある。

 

 

 

7月19日  エアコン  扇風機に取って代わる

  人でごった返す売り場あれば、人気のない売り場あり。杭州のデパートでは同じ電化製品売り場でもエアコンと扇風機でだいぶ様子が違うようだ。

  一昨日、エアコン売り場の熱気ぶりを見た扇風機売り場の店員は、「以前のこの時期なら、一日に7、80台の扇風機が売れていたのに、今では2、30台売れれば良い方」と苦笑する。

  エアコンの値段が高かった頃は、扇風機が主流だった。しかし、近年の大規模な価格戦争で、エアコンは金持ちの贅沢品から、庶民の日常品へと変化。杭州では600元程度のエアコンが一気に売りに出されたが、扇風機の価格には大きな変動はない。エアコンと扇風機との価格差が縮まれば縮まるほど、扇風機は下火になっていく。

  かつて扇風機が使われていたのは、庶民の住宅も狭く、電気の使用も不自由なため節約の意味もあった。しかし、今では電気使用に気を使う必要もなくなり、新居を構えてエアコンを設置する人も増えた。こらえ性がなくなる一方の都市住民にとって、今やエアコンは夏の必需品となった。5年前は浙江省の住民100人当たり35台だったエアコン所有率も、昨年では71台まで増加している。